嫉妬に狂ってしまいそうになる

今まで一度もこんな我儘なんて言ったことない

俺はあいつの笑顔を見れればそれでよかったんや

そう 今までは…



「跡部ー!」

「何だよ」

「一緒に帰ろう♪」

「仕方ねぇな」

「やった★」



いやや…

いつからやろ ふとそんな事を考えるようなったのは

気がついたら その笑顔を俺だけに向けて欲しいとか

全て俺だけのモノになったらええなとか

けど それは伝えてはいけない言葉やと自分に言い聞かせて

でも この気持ちだけは知っていて欲しいって

この気持ち伝えたいのに 喉の奥が妙に乾いていて 言葉が其処で詰まってまう

澄んだ瞳は 俺を過ぎて何処を見てる?

妬ける対象が誰かなら 夢に溺れていてくれるほうがマシや



「ジロー」

「ん?何?」

「ちょっと…」

「忍足…」

「いや、やっぱええ」

「そう?」

「また今度でええわ」

「ん?まぁ、よくわかんないけどわかった」

「ほな、明日な?」

「はーい」



跡部は感が鋭いから きっと俺の気持ちにもう気付いとる

だから今みたいに俺がジローに声をかけると

あんなきっつい目で睨みつけてくる

普通なら怯えてまうんやろうけど

俺は変やから

逆に奪ってまおうと燃えるんや

お前の屈辱に歪む顔も見たいと思えてくる

俺のこの感情を

歪んだ感情を

強引に



「んっ!?」


唇を奪ってやった

そのまま床に押し倒し押さえ込むと 状況を理解できないまま俺を見つめてくる

服を捲り上げようとするとやっと理解したのか抵抗をしてくる

だから俺は無理矢理胸を露にしてやった


「忍足っ!?どうしたんだよ!?」

「今日、誰も帰ってきいへんから安心しぃ?」

「そうじゃなくてっ!」


いつもと違う様子の俺に小刻みに肩を震わせ怯えている

そっと瞳を指で辿れば一筋の涙が頬を伝い その瞳の奥で誰かを見ていた

慈郎が跡部と付き合うてる それくらい知っていた

だからこそ我慢してた

けれどそれはもう限界やった

露になった胸に舌を這わせ 突起を舌で愛撫し口に含むと 無理矢理下着ごとズボンを脱がせてやる



「っん…やめろっ!忍足!こんなの嫌だっ…っあ…!」



恐怖に涙を流し始めたのを横目で見つめてみる

まだ 誰にも見せたことのない 俺にしか見せていない表情

いや 誰かに見せていてはいけない

誰かに見せるなどあってはならない




―――でも もし誰かに見せていたら?―――



そんな事が頭を過ぎる

その度に俺の醜い感情は増大していく

抑える事の出来ない感情

抑えようとしてもそれを嘲笑うかのように溢れ出てくる

どうしようもなくて

とても苦しくて

それを押し付けることしか出来ない



「っあぁぁっ!?」



俺の中の醜い感情 欲望 全て溶かしてしまって欲しい

お前ならそれが出来ると

儚い希望を抱いて

それなのに



「忍足!?嫌だ!!抜けよ!!」



俺はこうして慈郎の中に無理矢理入り

感情の任せるままに突き上げ

慌てふためき 暴れ 泣き叫ぶ慈郎に欲情する

もう戻る事の出来ない関係

それに怯えながらも

止める術を知らない感情

もしかしたら

何てそんな感情を持ってしまうだけ無駄やのに

わかっているのに



「ジロー好きや…っん」

「狽チ!?あぁぁっ!!!」



幾度となく果てようと

俺の感情は止まらない

何度でも 何度でも 慈郎を貪る

戻る事の出来ない関係に涙を流しながら