嫉妬に狂ってしまいそうになる

今まで一度もこんな我儘なんて言ったことない

俺はあいつの笑顔を見れればそれでよかった

そう 今までは…



「忍足ー!」

「何や?」

「見て見てこれー」

「お、ジローが欲しがってたやつやないの」

「いいだろー」

「はいはい、羨ましい限りやわ…」

「えへへ」



やめろ…

それ以上触るな 近寄るな

頼むからそれ以上他の奴にそんな顔を見せるな

全て俺だけのモノだ

そう伝えたいのに 喉の奥が妙に乾いていて 言葉が其処で詰まってしまう

澄んだ瞳は 俺を過ぎて何処を見てる?

妬ける対象が誰かなら 夢に溺れていてくれるほうがマシだ



「おい、ジロー」

「ん?何?」

「ちょっと…」

「俺、早く帰ってこれやりたい」

「ジロー行った方が良さそうや」

「何で?」

「きっと行ったらわかる」

「そっか…んじゃ、とりあえず行ってくる」

「ほな、先帰っとるな?」

「はーい」



そう言って駆け足で寄ってきた慈郎の腕を引き部室へと行く

俺は慈郎を押し入れ扉を閉めると鍵をかけた

いつもはあいつに振り回されしまうから

そんなことになってしまう前に

俺のこの感情を

歪んだ感情を

強引に



「んっ!?」


唇を奪ってやった

そのまま床に押し倒し押さえ込むと 状況を理解できないまま俺を見つめてくる

服を捲り上げようとするとやっと理解したのか抵抗をしてくる

だから俺は無理矢理胸を露にしてやった


「跡部っ!?どうしたんだよ!?」


いつもと違う様子の俺に小刻みに肩を震わせ怯えている

そっと瞳を指で辿れば一筋の涙が頬を伝い その瞳の奥で誰かを見ていた

最近慈郎が誰かに心奪われている それくらい知っていた

あえて突き止めることもしなかった

けれどそれはもう限界だった

露になった胸に舌を這わせ 突起を舌で愛撫し口に含むと 無理矢理下着ごとズボンを脱がせてやる



「っん…やめろっ!跡部!こんなの嫌だっ…っあ…!」



恐怖に涙を流し始めたのを横目で見つめてみる

まだ 誰にも見せたことのない 俺にしか見せていない表情

いや 誰かに見せていてはいけない

誰かに見せるなどあってはならない




―――でも もし誰かに見せていたら?―――



そんな事が頭を過ぎる

その度に俺の醜い感情は増大していく

抑える事の出来ない感情

抑えようとしてもそれを嘲笑うかのように溢れ出てくる

どうしようもなくて

とても苦しくて

それを押し付けることしか出来ない



「っあぁぁっ!?」



俺の中の醜い感情 欲望 全て溶かしてしまって欲しい

お前ならそれが出来ると

儚い希望を抱いて

それなのに



「跡部!?嫌だ!!抜けよ!!」



俺はこうして慈郎の中に無理矢理入り

感情の任せるままに突き上げ

慌てふためき 暴れ 泣き叫ぶ慈郎に欲情する

もう戻る事の出来ない関係

それに怯えながらも

止める術を知らない感情

もしかしたら

何てそんな感情を持ってしまうだけ無駄なのに

わかっているのに



「ジロー好きだ…っん」

「狽チ!?あぁぁっ!!!」



幾度となく果てようと

俺の感情は止まらない

何度でも 何度でも 慈郎を貪る

戻る事の出来ない関係に涙を流しながら